ケースのサイズが固まった後は細かい設計に移っていきます。
そこで使用するのが3D CAD(3次元CAD)といわれる設計ツールです。
私はsolidworksというソフトを使っています。
フリーのCADソフトも1か月ほど試したのですが、どうも作業効率が悪く使い勝手も良く分らなかったので、結局以前勤め先で使っていた有料ソフトを買うことにしました。
なんとこのソフト、100万円という超高額…(泣
半分はIT補助金で賄い、残りは退職金を充てて買いました。。辛い…
さて、前回サイズを決めたので、それを3Dにしていきます。
まずは形状の概略図を2次元で線を書いていきます。横から見た図を描きます。
次にこれをぐにょーと押し出します。
するとこんな感じになります。
(なんかすでにそれっぽくなりましたね)
これで全体のレイアウト図が出来ました。
実際は鋼板(鉄の板)を曲げて作るので、このレイアウト図の上から鋼板で作る場合の構造を考えていきます。
さっきと同様にまず線を書いて、押し出します。
今度は板を曲げたような絵が出来ました。
基本的にはレイアウト図に合わせながらこれを繰り返していきます。
レイアウト図を先に作っておくことで後で全体のサイズを変えたいといった時に変更しやすくなります。
これは設計時のテクニック的なもので、必ずそうしなければならないという事はありません。
穴も開けて細かい所も作り込んでいきます。
これで外装の完成です。
他の部品もちまちま設計していきます。
電気部材などはカタログから寸法図を拾ってきてデータ化します。
こんな感じです。
ライトや、ガラスドア、背面のボードなど使う分全てデータ化します。
実際の作業として、刀をかける部分にはどのくらいの荷重がかかると破損するかなども応力解析機能を使い計算したり、
筐体のバランスを見るのに重心計算をしたりするので、形を作るのにもそこそこ頭を使います。
これについては長くなるので別の機会に書ければと思います。
各データを作った後は組み立てていき完成となります(専門用語でアセンブリといいます)。
第3者に構造についてプレゼンしたりする際などには、以下のようにパソコン上で動かす事も有効です。
視覚的にもわかりやすいので、比較的すぐ理解してもらえる印象です。
(でも作るのがかなり面倒)
分解図を描くこともできます。
この機能は、主に説明書を作るときに使う機能です。
例えば部分的に分解図を作り白黒にして文章を入れると…
なんとなくそれっぽくなりました。
モデリング(設計)は世の中に無い物を生み出している感覚が得られるのでとても楽しいです。
これが出来ると以下のような図面を部品点数分描いて職人の方に作ってもらいます。
もっと最高なのはこれが職人の手により形になって組み立てているときです。
頭で考えた物が形になる、まさに至福の時間です^^
次回は職人さんが外装をどのように作っているか書こうと思います。
それでは皆様良い刀ライフを~!
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