製作日記① ライティング

最終更新: 4月28日

刀鑑賞時における一番のポイントはやはり照明の種類と光の当て方だと思います。

なので刀ケースに使用するライトには一番こだわって作っています。


かなり苦労した部分なのでどのメーカーのライトを使ったかは明記しませんが、色々トライアンドエラーを繰り返して選定しています。


市販されているライトは5Wのナツメ球から100Wまでの様々な大きさ、形状の物を20種類程試し、ライティング専門の会社を訪れて実際に刀にライトを当てるなどもしました。




ライトには様々な配光角、演色性の物が用意されています。

例えば刀剣博物館などでは以下の物が使われています。


https://www2.panasonic.biz/ls/lighting/control/choko/nonyu/museum/touken_hakubutsukan.pdf



■演色評価数について


基本的には高ければ高いほど良いです。

(刀剣博物館含む多くの美術館ではRa95と高いものを使用)


簡単に言えば光の綺麗さと考えてもらえれば良いと思います。

なので、私が選定したライトもRa95の物を使用しています

安いライトはRa80くらいのものが多い印象です。

(ちなみにケースに採用したライトは小さいですが1個25000円します。4個使ってるので…ぐふっ)



■光の色について


よく2700K、3000K、4000K、5000Kなどと表示されています。

2700Kにいくほどオレンジ色、5000Kに行くほど白くなります。


日本刀の照明にLEDライトを使う場合は2700Kに近い物が適していると思います。

但し地金を見る場合は白いライト(蛍光灯のような色)の方が適しています。



■配光角度について


これはどの角度が明確に良いとかではなく、刀との距離や光の強さも大事な要素となってくるので、実際の見え方を確認しながらそれにあったライトを決める必要が出てきます。


但し経験上、鈍角(広範囲を照らせる)の方が日本刀の照明には合っている気がします。

鋭角(狭い範囲を照らす)だと光がより強くなる傾向がある為です。

(強いと当然刀身に反射したときに眩しく見えるので鑑賞の妨げになります)




よく「LEDだと刀は全く見えない!レフ電球こそ1番だ!」という方がいらっしゃいます。


レフ電球が見やすいことに対して否定は一切ないのですが、見やすいLEDも実際は多く存在します。


ただそれらは一般的に高価で入手しづらい為、恐らくは市販されている安いLEDを見た方がそういった意見を言っているように思えます。



少し話が脱線したのでもとに戻します。

ライトの候補が固まったタイミングでお世話になっている刀剣商さんにも見て頂きました。

やはり刀のプロの眼で見て頂くのは大事に思った為です。


刃中の働きがしっかりと確認することが出来、安心しました。


製作者の目で製品を見ると、良いか悪いかの判断の際、少なからずバイアスがかかって見てしまうものです。


ここが「良さ」と思っていたところが、話を聞くとあまり良さになっていなかったり…とにかくお話を伺うと発見が沢山あり、親身に相談に乗っていただけて本当に感謝しかありません。



頂いたアドバイスを受けてさらに改良を重ねていきましたが、設計時には他にもこんなところにも注意、工夫しました。



ちなみに刃文を見るライトと、地鉄を見るライトの切替が出来るようになっています。

見え方は以下のように全く違うことが分かると思います。



刃文用ライトでの見え方


地鉄用ライトでの見え方


これもライトの面白い特徴ですね!

刀鑑賞時のライト選定は本当に肝なので一番検討に時間を要しましたが、その分良い物が出来上がったように思います。


日々ライトも研究開発されているので、時間の経過とともに更に良いライトが出てくるようであれば設計変更していきたいと思います。



次回は設計のとっかかりについて書こうと思います。


それでは皆様良い刀ライフを~!




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