top of page

製作日記⑥ 壁紙の貼付

更新日:2020年4月28日

配線作業が終わると次は壁紙を貼っていきます。

選ぶ壁紙の箇所は2ヵ所で、それぞれ背面と土台部分です。


■背面の壁紙選び


刀の展示ではよく黒や青、赤といった色が背面に使われる事が多いのですが、

鑑賞時に「目が疲れないようにする」「刀を引き立たせる」という考えのもと、

黒系統で選ぶ事を決めました。


黒の壁紙といってもグレーぽい物から、濃い黒まで様々です。

実際に刀に合わせてみないとイメージが湧かない為サンプルを取り寄せ合わせてみました。



まずグレーですが、光を当てた際に刀が背景と溶け込んで見えづらいということが分かりました。

次に柄入りですが、柄の主張が強く、刀を引き立たせるという目的から外れる為、除外しました。

最終的に濃い無地の黒が良いとの判断に至りました。




壁紙が決まったので、次はバックボード(木材)に貼っていきます。

バックボードはこんな感じです。


正面は後程黒い壁紙を貼るので裏面のみ黒く塗装しました。


まずシーラーで下処理をしてから、以下のように転がしながら空気が入らないよう注意して壁紙を貼っていきます。


シーラー処理をすることで壁紙と壁面の吸着が良くなり剥がれにくくなります。

(写真は土台に塗っているときの写真ですが、バックボードも同様に塗っています)



貼り終えたら以下のように作業を進めます。


背面の壁紙貼りはこれで完成です。



■土台の壁紙選び


これは完全に個人の感性次第だと思うので、人それぞれ良い悪いが分かれると思います。

ですので依頼されて作る際は購入者の方とよく相談して決めたい部分、と言えます。


ここを上手くまとめる事が出来れば、刀を飾った際により刀が際立って見えます。


例えば以下は慶長新刀(堀川国広)です。

土台の壁紙によって見え方がこれだけ変わります。



個人的には新刀のように肌が詰んでいる方には最初の写真のようなシンプルな壁紙が合う気がします。

逆に刃文や地景の複雑な古刀であれば、柄入りの壁紙が合う気がします。

(以下は相州行光の短刀)


勿論上記以外にも沢山の壁紙があるので、

購入時こんな色が良いなどあれば相談頂ければ探します。




■土台への貼付


壁紙が決まったら土台に貼り付けていきます。



ローラーで空気を抜きながら綺麗に貼ります。


糊が剥がれたりして皺にならないよう、念のためタッカーを打っておきます。


これで土台の完成です!


この一連の工程、バックボードと土台両方合わせて大体2~3時間くらいでしょうか。

地味な作業ですが刀を見たときにパッと目に入るため気の抜けない作業です。




次回はケース製作時の設計ミス集について書こうと思います。


ミスをする度に金銭的にも精神的にも多大なショックを受けますが、その分同じミスはしなくなるので何とか前を向いて次に活かせるよう頑張っています。


それでは皆様良き刀ライフを~!

閲覧数:23回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page